患者様自身に口腔内の状態を再現していただく型採り方法

上下顎同時印象法歯があるときの状態は、外側からは頬の筋肉の圧力、内側からは舌の圧力によりバランスが保たれています。たとえ、歯を失ってもこの状態は変わらず、外側からは頬の筋肉、前方からは唇が内側に押しているのですが、舌は外側への支えを失い、歯があった時と比較すると舌は大きく広がり、歯の入るスペースがないように見えます。そのため、歯のない状態の型取りは非常に困難なように見えます。

「上下顎同時印象法による総入れ歯の製作法」は、この困難な型採りを患者様自身に再現していただく方法です。医師が想像して型を採るのではなく、歯があったころの筋肉の状態を上手に誘導してあげることで理想的な型採りを実現します。

私たちが食事をするとき、お口の中の筋肉がどのように働いているかは、つばを飲み込んでみていただくと分かりやすいと思います。唇、舌が強い力で歯を押し付ける感じになり、口の中には圧力がかかります。これは入れ歯に対しても同じため、型採りの際も、食事をするときと同じ筋肉の状態を再現できるのが理想です。

食事をした時と同じ状態で型を採るなんて、どうやるのだろう...と思われるかも知れませんが、「上下顎同時印象法」では、型採りの最中につばを飲んでもらうことができるのです。これは、上下別々に型採りしていた従来の方法では不可能だったことです。

もちろん、この最終的な型採りを行う前には、スタディーモデルという参考模型も作成します。この前準備によってあらかじめ、入れ歯の高さや正中があっているかどうか、左右が対称であるかどうかなどを確認して、上下顎同時印象法に使用する専用トレーを作成しておきます。

上下顎同時印象法
上顎結節と
レトロモラーパッドの位置関係
上下顎同時印象法
矢状面から・上顎の歯槽骨の
カンペルとの関係
上下顎同時印象法
上下顎の前後的関係

【上下顎同時印象法の利点】
①精密な型採り、噛み合わせや位置の記録などを一度に行うので、通院回数が少なくて済みます。
②噛み合わせの高さを記録しながら型採りするため、理想的なバランスがとれます。
③型採りの間も唾液を飲み込むことができるので苦しくありません。
④型採りした模型を、そのまま咬合器(噛み合わせの器械)に取り付けるため誤差が生じません。
⑤患者様自身の口腔内圧力によって、口の周りの筋肉、舌、唇の記録を採ることができます。
⑥人工歯は、筋肉のバランスの取れている位置に並べることができます。
⑦入れ歯の形状が舌の動きをじゃましないので、つばを飲んだり、発音がしやすくなります。
⑧精密な重合方法(イボカップシステム)により、密着度の高い入れ歯が製作できます。
⑨口の周りの筋肉、唇、舌による維持が期待できるため、骨が薄い症例にも対応できます。
⑩ドイツのカボ社の咬合器を使用することにより、医師と技工士がしっかり連携できます。

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