2016年2月23日

院長あいさつ

院長あいさつこんにちは。稲葉歯科医院、院長の稲葉由里子です。
この度、『上下顎同時印象法による総入れ歯』専門のホームページを新しく作りました。

『入れ歯専門サイト』では主に、ドイツで開発されたテレスコープシステムを紹介させていただいておりますが、実は当院では、ドイツで開発されたシュトラックデンチャーを原形とした『上下顎同時印象法による総入れ歯』においても素晴らしい成果を上げています。

『上下顎同時印象による総入れ歯』の原型は、ドイツのDr.Reiner Strackの入れ歯です。Dr.Strack は、当院顧問の稲葉繁先生が留学していたチュービンゲン大学出身の総入れ歯の大家であり、その技術はDr.Hans.shleichが引き継がれました。そしてその後、Dr.shleichが引退する際には、その膨大な資料を稲葉繁先生に託されたのです。

Dr.shleichの素晴らしい技術をさらに改良したのが、現在の『上下顎同時印象法による総義歯』です。つまり今現在、Dr.Strackの入れ歯を源流として、原形のままに教え伝えているのが、当院顧問稲葉繁先生です。

この素晴らしい総入れ歯を絶やさないためには、この優れた技術を、積極的に患者様に提供させていただくことだと気づき、このホームページの作成に至りました。ここでは、シュトラックデンチャーの歴史から、上下顎同時印象法の開発、そして治療方法から制作方法まで、すべてをお伝えしたいと思っております。

ホームページを制作してみて分かったこと

院長あいさつ当院の『入れ歯専門ホームページ』を制作したのが、9年前。当時入れ歯を専門としているホームページはほとんどありませんでした。なぜなら、入れ歯を必要としている方は、高齢者の方が多いと思っていたからです。

しかし、ホームページを制作してみて分かったことは、総入れ歯で悩んでいらっしゃる方は、様々な年代であったことです。

歯を失う原因は歯周病や虫歯だけではなかったことも、相談に見えた沢山の患者様のお話を聞かせていただきわかりました。歯科医院で以前怖い思いをされた方、恥ずかしく、家族にも言えず、どんどん悪くしてしまった方、そのような方が勇気を振り絞って歯科医院を訪れても、保険適応の見かけの悪い入れ歯で、更に何度も何度も作り替え、結果総義歯に近づいていってしまうのです。

近所の歯科医院へ行って、診療台で「はい、○○さん、入れ歯を外して下さい」と言われ、屈辱的な思いをされた方の話を沢山伺ってきました。さらには、合わない入れ歯を自分で修理しながら、いつ割れてしまうのか、外れてしまうのかを気にして、お友達との食事、旅行などに心から喜べない状態になり、だんだんと鬱状態に陥ってしまったという方のお話も...。

自分の歯や口元は、自分ではわからないからこそ、不安になります。そこでまず、私がいつも患者様にお伝えするのは、「今まで、大変でしたね。あとは、良くなるだけなので、私たちにお任せ下さい」ということです。

私たちは解決できる方法を沢山持っています。稲葉歯科医院にいらしていただいた患者様には、素敵な口元を作り、新たな人生を過ごしていただきたいと思います。

また、団塊の世代が後期高齢者を迎えるとされる2025年、これから益々、総入れ歯の需要が高まると思います。歯科医療においてこれらシニア世代のニーズを的確にとらえ、適切な医療を提供していくことが求められます。

しっかりとした入れ歯を作りたい、健康を回復しQOLを高めたいと思われるシニア世代の方は、これから確実に増えていくと感じます。そのような方に向けて、私たちの持っている知識や技術をすべて皆さまにお伝えしたいと思います。

【経歴】
平成9年  日本歯科大学卒業 歯科医師免許習得
平成9年  日本歯科大学研修医
平成11年 稲葉歯科医院開業 現在に至る
※ドイツやスイスで各種研修を受講

【所属】
日本審美歯科学会会員
ISOI国際インプラント学会会員
顎咬合学会認定医
IPSG総務理事
ドイツ商工会議所正会員

症例1:デンチャースペース配慮不足の症例

入れ歯が外れやすいという方の入れ歯を見てみると、基本的な形が守られていないことが多くあります。例えば、入れ歯が小さすぎると、口の周りの筋肉に皺がよったり、筋肉に張りがなく、頬がこけてみえます。

症例1の患者様は、入れ歯が小さすぎることにより、口元が痩せて見え、口の周りの筋や唇のサポートが得られていません。実際に小さな入れ歯の周りに、印象材を流してみると、実際のデンチャースペースよりこんなにも小さな入れ歯だったことがわかりました。

保険義歯との違い保険義歯との違い

上下顎同時に型採りを行い、総入れ歯を新しく作ったものがこちらです。口元が若返り、顔全体と調和していることがわかります。

症例2:顎の吸収の著しい症例

総入れ歯を難しくする症例の1つに極度に顎の骨が吸収していることがあります。多くの歯科医師が苦慮しています。そのような患者様は、自分の顎の形が悪いのが原因と、あきらめの感が強いです。

骨が吸収し、薄く平らな顎は入れ歯を支えることが難しく、さらにオトガイ孔が露出しているほど吸収が進んでいる方は、入れ歯が神経を圧迫し、激しい痛みと唇のしびれを伴うことがあります。このように極度に骨が吸収している場合、上下顎同時に型採りをした精度の高い入れ歯により解決することが可能です。

症例症例

症例2の患者様は骨の吸収が大きく、いくつか入れ歯を製作しても痛みに悩まされ続けていました。レントゲン写真を見てみると、骨の吸収が大きく、特に左側においては神経が通る下顎菅が露出寸前まで吸収が進んでいました。

症例次へ症例

上下顎同時に型採りを行うことにより、神経が通る下顎菅を圧迫せずに、口の周りの筋肉のサポート、入れ歯が動いて痛みがでないように精度を高めたことにより、入れ歯の痛みは消失しました。

症例3:オーラルディスキネジアの症例

唇や舌の不随意運動であるオーラルディスキネジアは、しばしば総入れ歯の難症例であるといわれますが、上下顎同時に型採りする方法で解決することができます。

症例3の患者様は84歳の女性で、パーキンソン病、ラクーネ型脳梗塞、軽度の痴呆をともなっており、数種類の薬剤を服用しています。このような場合、しばしばオーラルディスキネジアにより唇、舌の不随意運動がみられます。この患者様も舌を前にだす、舌突出型のオーラルディスキネジアで無意識のうちに入れ歯を口の外に押し出そうとしたり、しばしば舌により下顎の入れ歯が外れ落としてしまったりします。

症例症例

このような症例では、吸着のよい入れ歯の製作を心がけるとともに、舌で外そうとしてもどこにもひっからないよう、舌側の形態に注意することが大切です。そのために上下顎同時に型採りを行ない、口の周りの筋肉の動きや舌の運動の記録を取り、不随意運動を行っても邪魔にならないような形態にします。

症例症例

特にサブリンガルルーム、舌側を十分に延ばし、舌が床の下まで潜り込まないような形態にし、舌の圧力が加わっても入れ歯が動揺しないように、人工歯の舌側は、舌が突出しても入れ歯の表面を滑ってしまう形にします。

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また、舌を前に出すと、顎舌骨筋が挙上し、入れ歯を浮かせてしまうので、後ろの部分は短くする必要もあります。そのためには、口の中の正確な情報を再現できる上下顎同時に型採りする方法が優れています。

症例症例
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症例4:顎関節に問題がある症例

総入れ歯の患者様でも顎関節や運動制限があり、問題を抱えている方は多くいらっしゃいます。また、総入れ歯を入れている患者様の中には、顎の形が変形をきたしているケースもみられます。

症例4の患者様は83歳の女性で、右側の顎に痛みがあり、口を真っすぐ開くことができませんでした。今使っている入れ歯は下顎の安定が悪く、右側の歯がすり減り、顎関節症がありました。

そこで、まずは痛みを取るために入れ歯の改造を行いました。その際、患者様にとって大切な入れ歯を直接改造するのではなく、コピーデンチャーを製作し、これを修理して治療用の入れ歯を作りました。

顎の関節を正常な状態に戻すためには、顎を下方に牽引する必要があります。そこで、人工歯にレジンを2ミリ盛り足すことによって顎への圧迫をなくし、痛みを解消しました。その後、上下顎同時に型採りをし、シュトラックデンチャーを製作しました。

2ヶ月後、右側の顎関節の動きが改善し、真っすぐ開くことができるようになりました。レントゲン写真でも、関節が顎を圧迫することなく、十分な間隙ができていることがわかります。

症例5:顎の位置に問題がある症例

顎の位置に異常がある患者様もしばしば見受けられます。例えば、長い間入れ歯を使っていることにより、通常では考えられない位置で、奇しくも「噛み合っている」というケースがあるのです。

症例5の患者様の初診の状態は、噛み合わせの高さがあきらかに低く、下顎は左側に偏っていました。レントゲンでも、下顎の位置異常が認められます。横顔のシルエットで下顎がでているように見える原因も「噛み合わせの高さが低いため」であり、骨格自体の問題ではありませんでした。

そこで、上下顎同時の型採りを行って総入れ歯を作った結果、噛み合わせの高さも正常になり、横顔も正常に戻りました。

症例6:入れ歯による顎関節症の難症例

長い間、合っていない入れ歯を使っていることで、噛み合わせのバランスが崩れ、顎関節症を引き起こすことがあります。

症例症例
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症例6の患者様は、右側の顎に痛みがあり、お口を開けると左側にずれて、真っすぐに開けられませんでした。入れ歯は右側に比べて左側の歯が異常にすり減っていました。顎関節のレントゲン写真をみると、左側の関節円板(顎と骨の間のクッションのような部位)が落ちており、顎関節症と診断できました。

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そこで、まず以前作った入れ歯を複製し(コピーデンチャー)、下顎頭を下げて顎がスムーズに動くように右側の噛み合わせを2ミリ上げました。コピーデンチャーで真っすぐお口が開けられるのを確認し、顎の痛みもとれたため、新しく入れ歯を作り直しました。

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上下顎同時に型を取り、KAVOProtar咬合器のPDRInsertを用い、下顎頭を下方に下げて顎がスムーズに動くように調整。顎機能咬合解析システムCADIACSを使い、右の顎が2ミリ下がっていることを確認して入れ歯を完成させました。

症例症例
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新しい入れ歯では顎の痛みはなく、お口も真っすぐ開けられ、自然な笑顔が見られるようになりました。入れ歯で顎関節がスムーズに動くように誘導させる高度な治療例です。

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症例7:小児麻痺の患者様

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常に口元を動かすため、総入れ歯にとっては非常に難症例となります。
それでも、シュトラックデンチャーで噛み合わせを決め、最後、装着まで治療することができました。

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症例
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おわりに

長い総入れ歯の歴史の中で、多くの人が様々な術式を考えてきました。それは、デンチャースペースをどのように再現するか、あるいは、もともとあった歯の位置はどこであるかを捜し求めてきたものです。

頭の骨は様々な関節によって結合されています。歯の噛み合わせも結節であるといえるため、別々に作って適合させるよりも、一体となったものを2つに分ける方がより合理的であり正確です。その点、上下顎同時に型採りし、一体化した情報を咬合器し上下顎の入れ歯を作り、それを合体させたほうがよい結果を得ることができるはずです。

上下顎同時に型採りする方法は、単純で誤差の少ない確実な方法です。また、このシステムの特徴は、入れ歯によって顎関節を守ることも可能なことから、顎関節症の治療にも有効です。

このシステムにより、噛むことに多くの不自由を感じている患者様、また在宅要介護高齢者、脳血管障害の後遺症により麻痺のある患者様にも応用され、福音が得られることを望んでいます。

上下顎同時印象法による総入れ歯ができるまでの流れ

STEP 1.【予約~ご来院】診療の流れ
まずは、お電話かメールフォームにて「入れ歯無料相談」の日程をご予約下さい。当院は、末広町駅から徒歩0分のビル6階にあります。ご来院時は受付にて、入れ歯無料相談を予約してある旨をお伝え下さい。

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STEP 2.【初診・カウンセリング】診療の流れ
入れ歯に関する患者様のご希望をお伺いします。現在使用している入れ歯で不自由な点、困っている点、悩んでいる点など、なんでもご相談下さい。また、入れ歯の種類や治療法につきましても、不安に思うことや分からないことは何でもお気軽にお尋ね下さい。当院ドクターが詳しくご説明させていただきます。

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STEP 3.【一回目の型採り】診療の流れ
患者様のお口の構造をよく診させていただき、一回目の型採りをします。このステップは、上下顎同時印象法を行うために必要な「お口の中の情報」を取得する、第一ステップになります。

「お口の中の情報」は外側から見ただけでは解からないため、このステップで取得した情報から模型を作成して研究し、より精密な型採りをするための準備をします。型採りの際、冷たい材料がお口の中に入りますが、2分ほどで固まりますので動かずにお待ち願います。※決して喉の奥の方には入っていきませんのでご安心下さい。

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STEP 4.【第二回目のご来院-上下顎同時印象法と模型制作】診療の流れ
このステップでいよいよ、上下の顎の型採りを、同時かつ精密に行います(上下顎同時印象法)。本来の歯があったはずの正しい位置を記録して新しい入れ歯を製作しますので、今まで使用していた入れ歯によって生じている「良くない噛みグセ」なども是正されます。

従来の方法では、医師が印象材を押し当てて型を採っていたため、「普段のお口の動き」を再現することは困難でした。ですが、当院の「上下顎同時印象法」は、患者様自身の筋肉の動きや圧力によって型を採るため、口の動きにフィットする、とてもよい状態の記録を採ることができます。

例えば、患者様には、お口の中に印象材が入っている状態のまま、普段食事をしているときと同じ姿勢で、唾液を飲んでいただきます。こういった「普段のお口の動き」を記録することが非常に重要です。また、このときに人工歯の選択も行います。上下顎同時印象法の総入れ歯で使用するのは、Dr.Strack設計による、機能性と美しさを兼ね備えた人工歯です。患者様の肌の色や顔の輪郭などを参考に、患者様とご相談しながら決定していきます。

精密に採取した型からワックスで歯肉を形成し、上下の顎の状態を精密に計測して咬合器に装着したあと、先に選んだ人工の歯を並べていきます。人間の顎はとても精密なので、ほんの数ミリの誤差も「違和感」として敏感に感じ取ってしまいます。顎と同じ動きができる器械(咬合器)に装着して製作する理由は、そういった違和感を生じさせないためです。

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STEP 5.【第三回目のご来院-完成前のチェック】診療の流れ
まずは、ロウでできた入れ歯を患者様に装着していただき、次のような点をチェック、確認いたします。

・審美的なチェック・・・歯の形、色など
・適合性のチェック・・・しっかりフィットしているか、ガタつきはないか
・発音のチェック・・・スムーズに会話できるかどうか
・噛み合わせのチェック・・・無理なく、しっかり噛めているか

この後、ロウでできた歯肉部分は、長持ちする硬い材料(合成樹脂、金属)に取り替えます。

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STEP 6.【最終チェック-完成】診療の流れ
歯肉部分を最終的な素材に取り替えた後、仕上げの研磨を行って完成となります。きれいに磨かれた入れ歯を装着し、審美的、適合性、噛み合わせ、発音、維持力などの最終チェックを行います。

機能性はもちろん、審美性も兼ね備えたシュトラックデンチャー

審美性について審美性について

すべての歯を失ってしまうと、顎の骨の吸収が進んで薄くなってしまいます。そうなると、口元が痩せて、残念ながら実年齢より老けてみられがちです。そんな方が若々しい表情を取り戻すためにも、上下顎同時印象法によるシュトラックデンチャーは優れた審美性を発揮します。

上下顎同時印象法によるシュトラックデンチャーは、もともとの歯の位置を再現できるだけでなく、口元を自由に作ることも可能ですので、骨が薄くなって、しぼんでしまったように見える口の周りに、内側から自然なボリュームを持たせたり、ほうれい線を目立たなくさせることができます。

入れ歯が完成するまでの間は仮歯でしっかりフォローします

審美性について新しい入れ歯が完成するまでは、歯がない状態でいなければいけないのか...と、不安に思う患者様がいらっしゃいますが、 治療中も出来る限り、周囲に気付かれないようにするために、様々な工夫をしています。

治療中であっても、歯がないままでは食事にも不自由しますし、人とのコミュニケーションにも支障がでてしまいます。当院では、入れ歯製作中には必ず仮歯を入れ、生活に支障がないようにいたしますので安心して下さい。

治療で歯を抜く前には、歯を抜いた後の患者様の状態を、審美的な面、機能的な面について前もって考慮しておき、仮の入れ歯を作ります。これを「即時義歯」といいます。治療中は、不安な気持ちのフォローや、仮の入れ歯に慣れるためのアドバイスなど、すべてをサポートして進めます。日常生活やお仕事にはほとんど影響しないと思いますので、どうぞご安心下さい。

入れ歯装着時の審美性もしっかりチェックします

審美性について完成した入れ歯は、上下顎同時に型採りをした記録と同様の形をしていますので、口の周りの筋肉や舌でしっかり支えられています。そのため、舌を動かしても外れる心配がありません。舌を自由に動かせるので、発音や嚥下にもほとんど支障がありません。

審美性について
入れ歯装着後の審美性のチェックは、患者様にとって最も重要ですから、ご自身にも鏡でご覧いただきながら細部まで確認します。まずは、口を大きく開け、入れ歯が筋肉や唇によって支えられ、しっかり落ち着いていることを確認します。このとき、下唇からは人工歯が見えるだけで、歯肉は見えないはずです。


次に、顎を左右に動かしていただき、噛み合わせのチェックを行います。上下顎同時に型採りしているので、噛み合わせも確実に合っていると思います。発音のチェックでは、F音やV音で、上顎前歯の長さのチェックをします。また、1~20まで数えていただき、発音しやすいかどうかも確認します。

Q.
総入れ歯を入れていますが、鼻の下がとても膨らんでいるのが気になります。鼻の下の膨らみを、もう少し目立たないように作ることはできるのでしょうか。

A.
総入れ歯は上顎全体を覆う形となるため、膨らみを気にされる方も多いと思います。しかし実際には、歯を失うと、骨は全体的に内側に吸収されてしまっているめ、入れ歯の床で上顎が覆われても、膨らみはほとんどでません。もしも、今ご使用になっている入れ歯に問題があるのだとしたら、当院で、膨らみが目立たない入れ歯をお作りします。

保険の入れ歯の場合は、床を薄くすると割れてしまいますが、上下顎同時印象法によるシュトラックデンチャーの製作方法は、イボカップシステムという大変優れた方法です。3トンの力を加えながら、薄くても強度に優れた床を作ることができます。透ける程度の厚みでも、しっかりとした強度がだせるので、鼻の膨らみを抑えることが可能です。

Dr.シュライヒからオリジナルを受け継いでいます

Dr.シュライヒ当院顧問の稲葉繁先生は、1978年ドイツ、チュービンゲン大学の客員教授として留学をしていた際に、IVOCLAR社主催の総入れ歯のセミナーを受講しました。その時の補綴研修部長が、Dr.シュライヒです。

そこでは、日本の歯科医療教育による総入れ歯とは、全く違う方法で行われていて、大変な衝撃を受けたといいます。それから間もなく、稲葉先生は、ガンタイプのシリコン印象材が開発されたのを機に、「最終印象を上下顎同時印象で採る方法」を開発、発表しました。

そういった繋がりから、Dr.シュライヒは引退する際、すべての資料やスライドを稲葉先生に託しました。そこには、シュトラックデンチャーを絶やさないでほしい、世界中に広めてほしいという願いが込められているのです。

日本で「総義歯の大家」といわれている方々は、少なからずDr.シュライヒの影響を受けています。しかし、「オリジナルを学ぶこと」は何よりも大切だと思います。日々進化し続けている歯科医療ですが、新しい技術であるかのように発表されたことは、実はすでに、何十年も前に行われていることだったりもします。オリジナルを知っていれば、そういった情報に惑わされることがないのです。

〜Dr.シュライヒの経歴〜
・1926年ドイツミュンヘンで生まれ、父親はワイン作りのマイスター
・ミュンヘンで歯科技工士の資格を取得し、その後矯正学を勉強ドクターの資格をとる
・リヒテンシュタインのイボクラー社で補綴研修部長となり、イボクラーデンチャーシステムを完成させる
・その後イボクラーデンチャーシステムを広めるため世界各地で講演
・ブラジル、サンパウロ大学から名誉博士の称号を受ける
・1994年イボクラー社を退職

▼Dr.シュライヒ功績についてはこちら▼
http://www.ireba-inaba.jp/diaryblog/2016/03/dr.html

ギージー法

ギージー法ギージー法

近代総義歯学の基礎を築いた、スイスの歯科医師のAlfred Gysi(アルフレッド・ギージー)は、総入れ歯学に多くの業績を残され、日本の多くの学者は彼の影響を受けました。
現在でも、彼の理論は歯科教育に大きな影響を与えています。

ギージー法これまでの総義歯は、ギージーによる歯槽頂間線法則が基本となっていました。ですが、歯槽頂間線法則では人工歯の並べ方が、「交叉咬合(下の歯が上の歯を覆う形)」になるため、入れ歯の安定において、上顎の頬側のサポートが受けられません。

反面、上下顎同時印象をすると、生来のデンチャースペースが再現できるので、頬側のサポートが可能となり、入れ歯の安定性が得られます。


ギージー法ギージー法
左上の図は、Condail顎関節顆頭と Incisal前歯がうまく協調がとれて、大臼歯と小臼歯の咬頭傾斜角が噛み合う、という歯車に例えた有名な図だそうです。
右上の図では矢状顆路角の平均値、33度であることを述べていて、現在でも使われている貴重な内容を図に表した物です。

ギージー法
歯槽頂間線法則について、骨の吸収が進行していくと、咬合平面と歯槽頂間線のなす角度が80°以下になり、交叉咬合排列になるという図です。
これが、残念ながらギージーの総入れ歯の弱点ともなり、現在のDr.シュトラックによる総入れ歯へと移行します。

ギージーは様々な咬合器を開発しました。

ギージー法ギージー法
シンプレックスの咬合器、ハノーの咬合器、ニューシンプレックス咬合器や、Trubyteの咬合器、それぞれすべてフェイスボートランスファーをしています。

ギージー法
人工歯の大きさは、顔の大きさの16分の1という基準も、100年経った今でも使われています。

ギージーの歴史を辿ることは、現在の総入れ歯の原点を知る事にもなり、大変重要な資料です。

木床義歯(木製の入れ歯)

木床義歯日本の総義歯の技術は実は非常に古く、1583年に作られています。当時としては長寿の74歳で往生した紀伊・和歌山の願成寺の草創者・仏姫の拓殖の木から作った木床義歯です。当時は現在のように優れた印象材や模型材もなく、咬合器もない時代に、適合性に優れ、噛める義歯を作ることができたものであると、感心してしまいます。

当時の義歯の製作方法を調べてみると、非常に合理的であり、仏教芸術の伝統を受け継いでいることがうかがえます。その製作法の鍵は、蜜蠟を使った印象採得と咬合採得を同時に行うことです。

木床義歯木床義歯

これは蜜蠟を鍋で温め、それを一塊として患者様の口腔内に入れ、咬合位を決定した後に口腔内の形を採得するというものです。一塊にしたものを上下顎に分けたのであるから、正確な咬合位の再現が可能になるのは当然です。

木床義歯Dr.シュライヒは、「最初に上下顎同時印象を行ったのは歯科医学の始祖と言われるPhilio Puffである」と伝えていました。そこで、稲葉先生は、実は日本では400年前に木床義歯の印象に蜜蝋による印象が行われていたことを教えてあげたそうです。

ギージー法との違い

Gysi
ギージー法との違い
Strack
ギージー法との違い

これまでの総義歯は、スイスの歯科医師ギージー(Alfred Gysi)による歯槽頂間線法則が基本となっていました。ギージーは、シンプレックスの咬合器やハノーの咬合器、ニューシンプレックス咬合器、Trubyteの咬合器などを開発。そして、ギージーが提唱した「人工歯の大きさは顔の大きさの16分の1」という基準も、100年経った今でも使われています。

それほどに、ギージーは近代総義歯学の基礎を築き、大変素晴らしい業績を残しました。ギージーの歴史は、現代の歯科医療の財産であると言っても過言ではないのです。ですが、そんなギージーによる歯槽頂間線法則も完璧ではありませんでした。

歯を失うと、骨が吸収して顎が小さくなります。通常の歯並びでは、上の歯が下の歯を覆う形となっていますが、ギージーは、顎の骨が小さくなっている状況で作られる総入れ歯においては、「交叉咬合(下の歯が上の歯を覆う形)に歯を並べるとよい/歯槽頂間線法則」としました。しかしこれが、ギージーの総入れ歯の弱点ともいえるのです。

ギージーの排列では、入れ歯の維持において頬の筋肉のサポートが得られません。さらには、どうしても頬側に食べカスが入りやすくなり、口の中に常に食物が停滞した状態になります。

一方、シュトラックデンチャーの場合は、筋肉の圧のバランスがとれたところ、つまりは、もともと歯があった場所に人工歯を並べるため、筋肉のサポートによって入れ歯を安定させることが可能となります。また、生来の歯があったときと変わらない表情を再現することもできるのです。

形態について

形態について形態について

従来の入れ歯と比較すると、下顎の形が特に異なっています。従来は、入れ歯の揺れを抑えるために、舌の奥の顎舌骨筋窩というところにまで床を伸ばしていました。ですが、この形状の場合、大きく口を開けたときに浮き上がることが多く、舌が動くと入れ歯が外れやすいのです。

それに対して、上下顎同時印象法によるシュトラックデンチャーは、舌の前方あたりの柔らかいところ(サブリンガルルーム)を利用して、舌が自由に動けるようにしました。歯が抜けると骨が薄くなります。それを補うのが床(ピンク色のプラスチック部分)ですが、この床の面積を大きくするほど入れ歯の吸着力も高まります。

形態について

そして、頬の筋肉の力や、唇や舌のサポート力も入れ歯の吸着力を高め、それらの力のバランスが保たれているところに人工歯を並べると、とてもよい入れ歯ができあがります。逆に、これらのバランスが取れていないと、笑った時に下の歯しか見えなかったり、噛み合わせが低くて顔がつぶれたように見えたりします。

形態について

入れ歯は、笑った時に、上下の歯だけが少し見えるように作るのが理想的です。上下顎を別々に型採りする従来の方法では、このような歯の情報を得るのが難しいことから、上下顎同時印象法は精度の高い、新しい技術といえると思います。

コンセプト

コンセプトDr.シュトラックによる総入れ歯の理論
1949年、ドイツチュービンゲン大学のDr.Reiner Strackは、「入れ歯の安定」について、これまでのギージーによる歯槽頂間線法則を否定し、「口の周りの筋肉を利用することによる安定」を求めました。
口の周りの筋肉、唇、舌の均衡が取れるところで、もと歯があったところに歯を並べ、入れ歯を安定させる方法を開発し、さらに顎関節に調和した人工歯を開発、特許を取得しました。
現在使われているオルソシット人工歯です。
最初は陶器で有名なフュッチェンロイター社の陶歯でした。

Dr.シュトラックは、今日世界中で広まっている総入れ歯の源流となります。

シュトラックデンチャーのコンセプトは、「義歯が顆頭(顎関節)を誘導し、すり減ってしまった顎関節のリモデリング(骨を作ること)をする」ということ。つまり、「入れ歯が顎の関節を守る」のです。

特に高齢者の額関節の骨は、本来突起しているべき部分(顆頭)が平坦にすり減っていることが多く、それに人工歯を合わせると、真っ平らな平坦な形になってしまいます。シュトラックデンチャーなら、そういった状況を改善し、歯があったときの口腔内の状態を再現することが可能です。

コンセプトコンセプトコンセプト

患者様の条件に応じて歯を並べられる人工歯

コンセプトシュトラックデンチャーの人工歯には、1953年、チュービンゲン大学歯学部にてDr.Strackがデザインしたオルソタイプを使用しています。Dr.Strackは、長年に渡る「下顎の運動の研究」によって、最大の咀嚼機能を発揮できる咬合面システムを開発しました。その咬合面は、4面のピラミッドで構成される幾何学的な形態になっています。

コンセプトこの幾何学的な咬合面形態の人工歯は、患者様の条件に応じて歯を配置できるよう、理論的に設計されています。また、素材は、最初は陶器で有名なフュッチェンロイター社製でしたが、30年前からは、リヒテンシュタインのIvoclar社による、イソシットを使用したコンポジットの人工歯を使用しています。

最終義歯のチェックポイント

シュトラックデンチャーの仕上げには、模型上で並べた人工歯の歯並びが、口の中でも実際に再現できているかどうかなど、様々な点をチェックして、患者様にご満足いただけるものを完成させます。

噛み合わせのチェック
椅子から背中をわずかに離して、食事をするときのような姿勢をしていただき、一番噛みやすい場所でしっかり噛み、入れ歯が動かないことを確認します。両手の人差し指を上顎の入れ歯に当て、静かに噛み合わせていただくと、左右の接触の強さや前後的な動きを捉えることができます。その後、馬蹄形咬合紙(ブルーレッドレーダー)で精密な噛み合わせのチェックを行います。

外形のチェック
上顎は、口を大きく開いた時、口を尖らせた時、口角を上げた時に、入れ歯が外れないかをチェックします。このとき、入れ歯に段差や引っ掛かりがなく、スムーズに移行しているかどうか、隙間がないかどうかを確認します。

下顎は、口を開いた時、人工歯以外が見えていないかどうかをチェックします。この時、歯肉が見えすぎる場合は調整が必要となります。また、頬の部分が膨らんでいると、口を開いた時に筋肉が緊張して入れ歯が外れる原因になり得ます。さらには、筋肉や舌が入れ歯を支えるように働いているかどうかもチェックします。舌側の後ろを伸ばしすぎると、嚥下(つばを飲み込むこと)や舌の機能を阻害するので注意が必要です。

最後は、上下同時に行うチェックです。唇を尖らせた時、ストローでジュースなどを飲んでいる時、または口笛を吹いた時などにも入れ歯が安定しているかどうか、どこか引っ張られてるところがないかを確認します。

発音のチェック
入れ歯で一番発音しにくいのはサ行音であるため、「桜の花が咲きました」という文章を発音してもらったり、数字を1から20まで数えてもらうといったチェックを行います。

審美性のチェック
【1】顔の形
前から見て、顔や唇の形が左右対称になっているか確認します。さらに、唇のリップラインが美しく整っているか、口角の形はどうか、シワが寄っていないかどうか、笑ったときに歯はどのように見えるか、横顔を見たとき、スマイルライン(鼻の先と顎を結んだ線上に唇の位置が一致しているか)などをチェックします。

【2】歯並び
上下の唇との調和がとれているか、歯の大きさと色は調和しているか、鼻の鼻翼と犬歯の尖頭を結んだ線が一致しているか、笑ったときに下の唇の線が上顎前歯の歯並びと調和がとれているかどうかなどを確認します。

保険の入れ歯と上下顎同時印象法による入れ歯の違い

保険義歯との違い保険診療の範囲内で作る総入れ歯と、自費治療による上下顎同時印象法で作る入れ歯には、大きな違いがあります。当然、材料や手間をかけると保険診療の範囲では、完璧な入れ歯は作れません。

知識と技術の違い

知識と技術の違い一番大きな違いは、入れ歯を専門に勉強してきた歯科医師と製作する技工士の「知識と技術の違い」だと思います。現在の保険制度で製作できる総入れ歯は、低医療費であるために流れ作業のように製作され、残念ながら精度が低く、そこには技術の進歩も見られません。

長い歴史を持つドイツの入れ歯の技術を学ぶために、私達歯科医師や技工士は、多くの専門的な知識を身につけてきました。そして患者様に、当院の入れ歯をできる限り長く使っていただけるよう、あらゆる視点を考慮して設計するのです。

患者様の歯の状態は、みんな一緒ではありません。骨の状態、神経があるかないか、残っている歯の本数、位置など、すべてにおいて異なっています。しかし保険治療では、決められたルールの中でしか設計することができないため、決してベストな設計ではないことを知っていただきたいと思います。

定期的にISOI国際インプラント学会にも出席し、インプラント治療についても学んでいます。ドイツで開発されたテレスコープシステム、そしてシュトラックデンチャーの素晴らしさなどを踏まえ、あらゆる角度から患者様にとってベストな方法を選択しています。

材料の違い・製作に費やす時間の違い

材料の違いそしてもちろん、使用できる材質にも大きな差があります。保険の総入れ歯は、柔らかいレジンで作られているため、食べ物やコーヒー、タバコの汚れを吸い、樹脂内部にまで汚れや臭いが染み込み、口臭の原因になることがあります。

また、保険で製作される人工歯は既製のプラスチック製で、天然歯のような固さや溝がないため、歯ぎしりすることが難しく、見た目にも入れ歯だ分かりやすいものになってしまいます。

保険義歯の場合、上下の型を別々に採ったものを、保険義歯専門の技工所に送ります。技工士は患者様の姿を見ることなく、材料もなるべくリーズナブルなもので製作します。この流れでは、口の筋肉の状態や歯肉の形状などは一切考慮されないため、吸着力が弱く、外れやすい入れ歯であることが多いのです。

現在、保険の入れ歯の製作法は指定されていません。しかし、義歯の難しさとは関係なく、現行の保険の義歯の点数は大変低く設定されており、あまり時間もかけることなく、最も簡単な製作法で作られています。その製作法は、上下に分かれるフラスコにロウ義歯を埋没したのち、そこにレジンを詰めて熱湯で重合させるという簡単な方法です。

レジンは元々熱を掛けると必ず収縮します。そのため、フラスコの中でレジンは重合収縮を起こし、床の中で気泡となって残ってしまったり、変形の原因になります。こういったことにより、保険の入れ歯は精度も劣り、長く使用すると気泡の中へ色素が沈着したり、臭いの原因となったり、破折しやすくなってしまいます。

当院の入れ歯には、材質、製作共にこだわりがあります

当院の自費による入れ歯では、材質、製作共にこだわりをもって作っています。保険治療とは異なる制度の高い技術を用いると共に、患者様にとって最適な材料をご提案します。

精度の高いイボカップシステムイボカップシステム
レジンが重合収縮を起こすと、床の中で気泡となって残ってしまったり、変形の原因になる...こういった弱点を補填するための方法として考え出されたのが『イボカップシステム』です。イボカップシステムは、重合中にレジンに圧力をかけることにより、収縮を補正しながら精度の良い入れ歯を作ることが可能な方法です。

イボカップシステムで製作された入れ歯は強度が強く、それでいて、透けるほど口蓋が薄く仕上がります。また、重合精度が高いため、長期間使用しても変質しない優れた方法です。

ただし、イボカップシステムには、専用のイクイップメント-すなわち、容器に入った専用のレジンと、それを同化する練和器、3トンの重合圧に耐えるフラスコとクランプ等が必要になります。このように、初期投資が必要で製作単価もかかるため、現行の保険制度では取り入れることが困難であると思います。

人工歯は天然歯に近いリヒテシュタインイボクラー社製リヒテシュタインイボクラー社製
人工歯には、リヒテシュタインイボクラー社のものを使用。IVOCLAR のビボデントやオーソシット同様、天然歯のような高い審美性と硬さを兼ね備えています。さらには、豊富なカラーバリエーションから色を選択でき、歯の溝もしっかりついているので、食べ物をすりつぶしたり、歯ぎしりしたりすることも可能です。

院内に技工士がいるため細かな微調整にも素早く対応院内技工士
当院では、院内に併設された自費専門の技工所で医師と技工士が協力して、患者様にピッタリの入れ歯を作っていきます。院内に技工士がいるので細かな微調整にも素早く対応。笑ったり、歌を歌ったりと、人前でも自信を持って大きな口を開けられるほど、筋肉が入れ歯を支えて吸着します。そのため、他人に入れ歯と気づかれることも少なく、発音もきれいにできるようになります。

写真で見る保険診療の入れ歯と上下顎同時印象法の入れ歯の比較

小さい方は保険で製作した入れ歯。大きい方は上下顎同時印象法で製作した入れ歯です。

保険義歯との違い保険義歯との違い

これらは一見、全く別人の入れ歯のように見えますが、同じ人の入れ歯です。製作方法の違いによってこれだけ変わってしまいます。

上下顎同時印象法によって製作する総入れ歯は、お口の中すべての情報を記録し、再現できますが、保険の入れ歯では粘膜部分だけを型採りするため、このような小さい入れ歯になりがちです。これでは、お口の中で入れ歯が動いてしまいますし、飲み込んでしまう危険もあります。

従来の総入れ歯との違い

従来の総入れ歯との違い

従来の入れ歯は、上下の顎を別々に型採りして作られていますが、この方法には、様々な欠点があります。

まず、人が生活しているとき、通常は口を閉じていると思います。ですが、従来の型採り方法では、口を開いた状態で型採りをするため、口の周りの筋肉や舌、唇などが実際に機能しているときの記録を正確に採ることができません。また、口を開けたままで印象材が固まるのを待つので、食事をするときの状態や、唾液を飲み込むときの動きは記録されず、そこに誤差が生じます。

型採りの際の圧力のかけ方も、従来の方法では「医師の手加減次第」になってしまいます。医師が印象材を手で押し当てるようにして型を採るため、患者様の口腔内の圧力とは異なる状況が記録されることになってしまいます。さらには、上下の顎に平均した圧力がかかるとは限らないので、型の正確さが保証されません。

また、従来の入れ歯は、装着を安定させるために、下顎の歯肉の形を舌の奥の方まで伸ばしていました。そのため、舌が動くと入れ歯が外れやすいという欠点がありました。

上下顎同時印象法による入れ歯は、舌の奥の方へ伸ばすのではなく、舌の前方あたりの柔らかいところ(サブリンガルルーム)を利用して安定感を高めているので、舌を自由に動かすことができます。この形状なら、唾液を飲む動きをしても入れ歯に影響がなく、発音もしやすくなります。

重合方法

重合方法

総入れ歯を装着して維持させる「土台」は、「顎の土手」のみです。
その状態で総入れ歯を維持させるには、粘膜と入れ歯がピッタリと密着する重合方法の精度が求められます。
それを実現したのが、イボカップシステムです。
現在、世界中で最も精度の高い重合方法と言われています。

重合方法イボカップシステムにより、ウォーターフイルム現象  (ガラス板を2枚重ね、その間に水を挟むと取れなくなる仕組み)を作り出し、入れ歯と顎の歯肉の間に全く隙間が生じないよう、完全な同一精度で作成することができるようになりました。

イボカップシステムと保険の入れ歯の重合方法の違い

イボカップシステム保険で製作する総入れ歯は、あまり時間もかけることなく最も簡単な製作法で作られています。

その製作法は、上下に分かれるフラスコに蝋義歯を埋没したのち、そこにレジンを詰めて熱湯で重合させるという簡単な方法です。

レジンは元々熱を掛けると必ず収縮します。そのため、フラスコの中でレジンは重合収縮を起こし、床の中で気泡となって残ってしまったり、変形の原因になったりします。
保険の入れ歯を長く使用すると気泡の中へ色素が沈着したり、臭いの原因となったり、破折しやすくなってしまったりするのはこのことが要因となるからなのです。

このような原因から、その弱点を補填することが出来る方法が考えられました。それが『イボカップシステム』です。イボカップシステムは、3トンの圧力に耐えるフラスコと6気圧の圧力でレジンを補うことが出来る方法で、重合収縮を補正しながら精度の良い総入れ歯を作ることが可能な方法です。

イボカップシステムで製作された総入れ歯は強度が高く、透明感にも優れ、重合精度が高く、長い使用にも変質しない優れた方法です。イボカップシステムにおける重合方法は、大変な手間がかかり、その道具を揃えるために初期投資もかかります。製作単価もかかるため、現行の保険制度では経済的な損失が大きいため保険では困難であると思います。

イボカップシステムの重合は、透けるほど口蓋が薄いです。
人工歯はIVOCLAR のビボデント、オーソシット、天然歯のような高い審美性と硬さを兼ね備えています。

他の重合方法との違い

現行の保険義歯の製作で用いられるのは、上下に分かれるフラスコにロウ義歯を埋没したのち、そこにレジンを詰めて熱湯で重合させるという簡単な方法です。

レジンはもともと、熱を掛けると必ず収縮します。そのため、フラスコの中でレジンは重合収縮を起こし、床の中で気泡となって残ってしまったり、変形の原因になります。そしてそういったことが、保険の入れ歯を長く使用すると気泡の中へ色素が沈着したり、臭いの原因となったり、破折しやすくなったりすることの要因なのです。

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