噛み合わせの記録

1. スタディーモデル用トレー(Ivoclar社、Accu tray)
総入れ歯製作の第一段階となるスタディーモデルは、その後の診断や最終的な入れ歯の設計に大きく影響しますので、できる限り正確な型採りが必要です。

スタディーモデルスタディーモデル
スタディーモデルスタディーモデル
個人トレー個人トレー

上顎・下顎とも、顎の形はもちろんのこと、様々な情報を明瞭にコピーする必要があります。唇の動く範囲や舌の動き、すべての筋肉の情報などにも注意してコピーします。このようにしてコピーした情報を模型にすることが、質の高い総入れ歯を作る第一条件となります。

2. 個人トレー(上下顎同時印象法を行うためのトレー)の製作
次に、スタディーモデルを元にして、患者様に合ったオーダーメイドのトレーを製作します。上顎は、口の周りの筋肉や舌の均衡が取れている状態を型採りする必要があるため、あらかじめイメージしながら製作します。

個人トレー個人トレー
個人トレー個人トレー個人トレー個人トレー

この時、フェースボウトランスファー(入れ歯が体の軸にたいして垂直になるよう記録する道具。※1)を設置します。そして、ゴシックアーチ(顎の動きの記録。※2)や上下の噛み合わせの記録、型採りを同時に行えるように準備をしておきます。

3.上下顎同時印象法
上下顎同時に型採りするための印象材にはシリコンを用います。すべての作業は集中して5分ほどで行われますし、鼻で呼吸できますので、息ができないのではないかというご心配は不要です。

上下顎同時印象法上下顎同時印象法

個人トレーにシリコンの印象材を少し多めに入れ、患者様自身の筋肉の力で、口元を尖らせたり、口角を牽引したりしていただきます。この動作により、唇の位置、口角の形まで記録することができます。そして最後に、一番大切な動作として「嚥下(つばを飲む動作)」をしていただきます。この動作をすることで、口の中は陰圧となり、患者様が普段、食事をしたり、唾液を飲み込むときの筋肉の動きが、記録されることになります。

シリコン印象材が固まったところで、再びフェイスボウトランスファーを行います。重要なことは、型採りの中心位とフェイスボウの正中を正確に一致させることです。上下同時に型採りした記録には、頰筋や舌が動いている状態が再現されていることが確認でき、さらに唇、舌の形など多くの情報を得る事ができます。これらすべての情報は、人工歯の並べ方や歯肉の形成に大きく役立ちます。

※1 フェイスボウトランスファーフェイスボウトランスファー
人間の体は、左右前後にバランスが取れている必要があります。どこか一ヶ所でもバランスが崩れて不均衡が生じると、その歪みは体の様々なところに影響します。そういった骨格筋のアンバランスが原因となって、慢性的な肩こり、腰痛、頭痛などが生じることもあります。

それは歯列においても同様なので、体の軸から頭頂まで真っ直ぐ伸ばしたラインを基準にした歯科医療が必要です。この作業に用いるのが「フェイスボウトランスファー」で、患者様の体の中心位を咬合器に再現します。

このように作成された模型によって、入れ歯の左右の傾き、スピーの湾曲(横からみた入れ歯の湾曲)、ウィルソンカーブ(正面からみた入れ歯の湾曲)などの診断が可能になり、正確な診断と治療につながるのです。

※2 ゴシックアーチゴシックアーチ
ゴシックアーチとは、個々の患者様の「顎の動きの出発点」を探すために行われます。顎を前方や左右に動かしていただき、バランス良く動いているかどうかを確認する工程でもあるため、総入れ歯製作には欠かせない記録です。

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